Lab-Cafe Story 006 – アインシュタインのいた風景 -

2007年、Lab-Cafeデザインコンペをやりつつも、具体的にどのような場所にするべきかとても悩んでいました。ちょうど当時、南部さんがアインシュタインも在籍していたETH(スイス工科大学)におじゃましてアインシュタインだけでなく多くの欧州人が交流する現場の調査に行きました。南部さんはカーボンを窯で毎日焼いていたみたいですが、お忙しいところお付き合いいただき感謝です。ETHはチューリッヒの街を見下ろせる丘の上に立っていて、小さなケーブルカーで斜面を登った先に到着します。そういえば、その時の南部さんの先生の話が面白くて、木曜日のミーティングが終わると「では、また月曜日に会いましょう!」という感じで教授は帰って行くと。これでいて、ちゃんと成果が出てるんだからすごいです。スイスは小国ですが、みんな意志を持ってきているし、創意工夫をして結果を出すことが大事で、努力とは何か、文化を担う生活とはどんなものか、というのをアメリカとはまた違った形で感じました。しかし、ETHの学食は大変オシャレで眺めもよく羨ましかったです。皆、思い思いに椅子に腰掛け、勉強したり議論したり挨拶したり。夜遅くまでやってるのはすごく良くて、やっぱりこういう場所が必要だよなと思ったのを覚えています。

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スイス滞在中は南部さんといろいろな場所を移動してはうまいものを食ったり、アインシュタインの家に行ったり、行きつけのレストランに行ったり(イタリアンでした)しましたが、確か11月11日11時11分11秒祭りという大変時計で有名な国らしいイベントがありまして、それがとても面白かったのです。実はその時刻ジャストはルツェルンにいて、「特になにもないなー、おかしいね」などと話していたのですが、チューリッヒに帰ってレストランで食事していると写真のような仮装集団が乱入して来ました。彼らは皆楽器を持っていて、2-3曲演奏して店主に「ビールくれー」とやってビールが振舞われる事態が発生したのです。この後も続々といろんな仮装バンドが入ってきては演奏して、美味い時は店主から黒ビールが振舞われたりしたのですが、これもどうもお祭りの一環だったようです。その時に、演奏者と聞いてる人が同じ高さにいる、或いは混ざっていることはとてもいいなと思いました。いつもはステージの上と下という関係なのですが、これくらい身近であると、なんだか自分も表現者側に回りたくなるし、一方でたまたま今回は聞く側の役を担っているんだなと思えました。Lab-Cafeで演奏会などが開かれるときは、こういう演奏者と聞く人が交換可能な存在がわかるような、いつでも創造者側に回っていいんだよという雰囲気を作りたいなと思ったものです。

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11月11日11時11分11秒祭り@チューリッヒ

 

この時のスイスの滞在はこの日で終わりで、そのまま中央駅から夜行列車でウィーンへと向かったのでした。